事前学習:第7章 場所の管理(直接法・スミア法)
第7章は、場所の管理です。
中心は、作業場所や器具の表面汚染検査です。直接法とスミア法の違いを整理できれば、かなり解きやすくなります。
1. 場所の管理で何を確認するか
場所の管理では、非密封RIの使用後などに、作業台、床、壁、器具、手袋、身体表面などに放射性物質が付着していないかを確認します。
| 項目 | 整理 |
| 主な対象 | 作業台、床、壁、器具、手袋、身体表面 |
| 主な目的 | 表面汚染の確認、汚染拡大防止、内部被ばく防止 |
| 代表的方法 | 直接法、スミア法 |
| 内部被ばく評価 | バイオアッセイ法、ホールボディーカウンタ |
場所の管理=表面汚染を早く見つけて、広げない・吸い込まない・持ち出さないための管理です。
2. 表面汚染の種類
表面汚染は、主に
固着性汚染と
遊離性汚染に分けて考えます。
| 種類 | 特徴 | 評価しやすい方法 |
| 固着性汚染 | 表面に強く固定され、ふき取りで除去されにくい | 直接法 |
| 遊離性汚染 | 表面にゆるく付着し、ふき取りで除去されやすい | スミア法 |
- 直接法で高く、スミア法で低い場合は、固着性汚染が多い可能性があります。
- 直接法もスミア法も高い場合は、表面汚染があり、遊離性汚染も存在する可能性があります。
- 遊離性汚染は手指や物品を介して拡散しやすく、内部被ばくにつながることがあります。
3. 直接法
直接法は、測定器を汚染が疑われる表面に近づけて、その場で放射線を測定する方法です。
| 項目 | 整理 |
| 測定対象 | 表面から放出されるα線、β線、γ線 |
| 長所 | 迅速、現場で即時判断できる、汚染箇所の探索に適する |
| 短所 | 固着性汚染と遊離性汚染を区別しにくい |
| 影響因子 | 測定器と表面の距離、角度、表面状態、測定器の種類 |
| 放射線 | 直接法で用いる測定器の例 |
| α線 | ZnS(Ag)シンチレーション式サーベイメータ |
| β線 | 薄窓GM計数管式サーベイメータ |
| γ線 | NaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータ |
直接法=その場で測る。速いけれど、固着性と遊離性の区別は苦手です。
4. スミア法
スミア法は、ろ紙などで表面をふき取り、採取した汚染を測定する方法です。
| 項目 | 整理 |
| 測定対象 | ふき取りで採取された遊離性汚染 |
| 長所 | 遊離性汚染を評価できる。低バックグラウンドで測定できる。 |
| 短所 | 固着性汚染を評価しにくい。ふき取り効率の影響を受ける。 |
| ふき取り面積 | 100 cm2程度がよく用いられる |
| ふき取り効率 | 保守的に10%と仮定することがある |
スミア法=ろ紙でふき取る。遊離性汚染に強い。ふき取り効率と測定効率が計算で大事です。
5. 表面汚染密度の計算
スミア法では、測定した計数率から表面汚染密度を求めます。
| 項目 | 式・意味 |
| 正味計数率 | 試料計数率 − バックグラウンド計数率 |
| 放射能 | 正味計数率 ÷ 測定効率 |
| 表面汚染密度 | 正味計数率 ÷(測定効率 × ふき取り効率 × ふき取り面積) |
| 単位 | Bq/cm2 |
表面汚染密度 = 正味計数率 /(測定効率 × ふき取り効率 × 面積)。ここは計算問題で出ます。
6. 直接法とスミア法の使い分け
| 状況 | 考え方 |
| 直接法で高い、スミア法で低い | 固着性汚染が多い可能性 |
| 直接法もスミア法も高い | 表面汚染があり、遊離性汚染も存在する可能性 |
| スミア法で高い、直接法で分かりにくい | 低エネルギーβ線など、直接測定しにくい核種の可能性 |
- 汚染が確認された場合は、汚染拡大防止、除染、再測定を行います。
- 除染後は再測定し、汚染が低下したことを確認します。
7. 内部被ばく評価:バイオアッセイ法とホールボディーカウンタ
場所の管理は、内部被ばく防止にもつながります。汚染が体内に入った可能性がある場合は、内部被ばく評価が必要です。
| 方法 | 内容 | 対象 |
| バイオアッセイ法 | 尿、便、鼻スミアなどを測定する | 体外から測りにくいβ線放出核種など |
| ホールボディーカウンタ | 体内のγ線放出核種を体外から測定する | 137Cs、60Co、131Iなど |
バイオアッセイ=生体試料。ホールボディーカウンタ=体外から全身のγ線を測る。
8. まとめ
| キーワード | 答え方 |
| 直接法 | 測定器を表面に近づけてその場で測定。迅速。汚染箇所探索に適する。 |
| スミア法 | ろ紙でふき取り、遊離性汚染を評価。ふき取り効率が必要。 |
| 固着性汚染 | ふき取りにくい。直接法で確認。 |
| 遊離性汚染 | ふき取りやすい。スミア法で評価。 |
| 表面汚染密度 | Bq/cm2 |
| 内部被ばく評価 | バイオアッセイ法、ホールボディーカウンタ |